超短編ストーリー 第10話 写真

2020年5月5日超短編ストーリー,執筆作品

青年【ナオキ】と、青年【ユウヤ】の二人が久しぶりに会って、帰りの車の中で話していた。

ナオキが言った。
「さっきコンビニで思ったんだけど、未だに写真のプリントサービスとかあるけれど、需要あるのかねぇ?」

ユウヤが答えた。
「たぶん思い出を大事にする人には必要だろう。スマホを扱えない老人も居るだろうし。無いと困る人もいる。俺は利用しないが、結論は、需要ありだね」

「スマホの写真っていえば写真毎回撮ってたら容量圧迫するわ、その時ふと写真撮ったものの、後で見たらどうしてこんな物撮った?って思って削除したりしない?」

「あるある。自分の晩飯とか撮らないほうが良いよ。ゴミになるだけだから」

「まだスマホのデータなら良いよな、ボタン押せば消えるんだから。写真は捨て難いんだよなぁ。」

「あぁ、わかる。最近写真貰ったりする事はないが、断捨離の時に昔貰った写真を捨てるのは少し躊躇した。」

「捨てたのかい。断捨離といえどもよく捨てられるなぁ。」

「ま、人によりけりってことで。」

「断捨離か、もしトウマだったらどうしたかな?」

「あーごめん!トウマの話はよしてくれ。それにルームシェアしてた君の方が分かるだろう?」

ユウヤは部屋の前まで車で送り、「またな」と言って帰っていった。


ナオキはポストから封筒を取り部屋に帰った。
部屋の電気を点けて、封筒を開けた。

中に入っていた手紙を読む。
「トウマ、元気かい?どこそこへ観光に行ったのでその写真を送ります」と書かれていた。
部屋中に画鋲で貼ってある年配夫婦の写真と同じ顔が、優しく微笑んでいた。


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