超短編ストーリー 第23話 好奇心②

2020年5月16日超短編ストーリー,執筆作品

真夏の夜。

就寝前の30分を、ネット閲覧を楽しむ時間とする青年がいた。

人が大体持っている[怖いもの見たさ]という名の好奇心を青年も同じく持っていた。

その日の暑さは、怖い系のサイトを観る理由としては十分だった。青年がそんな時閲覧するのは、動画や画像ではなく、文章で怖がらせるサイトだ。

[新着]と赤い文字で書かれたリンク先のページを観て、内容が中々の怖さを感じるものだったのでとりあえず満足したのだが、さらに[続きを読む]と書いてある事に気付いた。

「続きを読むって、これで終わりじゃないのか?うーん、気になる」

クリックして良いものか、ふと心を過ぎったが、好奇心に負けて[続きを読む]をクリックした。
すると今まで見ていた画面内のコンテンツ部分が内容は同じなのだが[枠]に覆われて小さくなった。

「なんだこれ?」

その下に再度現れる[続きを読む]の文字。

「あれ、まただ、気になるな」

今度は躊躇せずにクリックした。

一つ前の小さくなった画面がさらに枠で囲まれて小さくなった。

青年はクリックする度にさらに枠で囲まれだんだん小さくなる画面が面白く感じた。

[テレビ画面の中に同じテレビ画面]状態。すなわちループ。

「[奥行き]に見えるんだよなぁ。」

ポチ、ポチ。

クリックする度にどんどん奥行きが深くなってくる画面を観ていて楽しくなったが、すぐにその気持ちは変わった。

突然一番最初の枠の中に赤のテキスト文字と画像が現れた。とても小さいテキストと画像。
「なんだぁ?」

近眼である青年は見えないと思い画面に顔を近づけたが、めちゃくちゃな文字の羅列だった。画像の方は小さすぎて分からなかった。青年はちょっと気持ち悪くなり、自分の恐怖の許容範囲を超えそうだったのでそこで観るのをやめた。青年はその日なかなか眠れなかった。

その真夜中、とある新入社員のスマートフォンに着信があった。
「こんばんはー。○○だけど。昨日頼んでおいたサイトの修正なんだけど、まだおかしいところあるじゃん!即直してもらいたいんだけど?」
「すみません、今修正しているところです。はい、大丈夫です」

電話を切った後、青年はわざとめちゃくちゃな文字の羅列を書いた部分を読める文章に置き換えた。

「ここが直んねんだよおおお」
画像の表示の不具合も新入社員の許容範囲を超えていた。

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