超短編ストーリー 第24話 犬

2020年5月17日超短編ストーリー,執筆作品

5月の午後3時。晴れ。

小学校から帰ってきたタクちゃんは、喉が乾いて冷蔵庫からジュースを取って飲んでいた。

ふいに電話が鳴る。友達のユウ君からだった。

「僕今帰って来たから、これからタクちゃんの家に行くね!」

「わかった!」

タクちゃんとユウ君は小学1年生の同じクラスメートだ。

仲良く話すようになり、今日初めて遊ぶ事になった。

今日はタクちゃんの家でテレビゲームをする約束をしていた。

インターホンが鳴った。
それと一緒に「キャン!キャン!」と元気な犬の鳴き声も聞こえた。

「はーい!」とドアを開けるとユウ君が犬を1匹抱いていた。

「本当に連れて来た!」
タクちゃんが笑顔で言った。

「やほー。タクちゃん家は何も飼ってないの?」
「うん、うちは何も飼ってないよ。可愛いなぁ。じゃ入って!」

家に入るとユウ君の犬は静かになった。

ゲーム中は二人の間でじっとしていた。

1ゲーム決着がついた時、タクちゃんはゲームをストップし、トイレに行った。

戻ってくると、ユウ君の犬がクルクル回っていた。

その姿が可愛くて、タクちゃんは追っかける様に真似した。

「くるくるくる…」

ユウ君はゲームを練習していて気づかなかった。さっきからタクちゃんに勝てず悔しかったのだ。

犬と遊んで面白がっていたタクちゃんは言った。

「ユウ君、見て見て~、くるくるくる」

気付いたユウ君が言った。

「あ!それトイレの合図だよ!」

時間が無さ過ぎた。

それを言った途端用を足している犬の先に見えたのは、ドアを開けて入ってきたお母さんの姿だった。

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