超短編ストーリー 第7話 メインレース

2020年5月2日超短編ストーリー,執筆作品

「さぁやってまいりました!本日のメインレース!1番人気はゴッドタイタン、2番人気はタートルフェイス、3番人気はエトセトラ」

ファンファーレの直後、「ガシャン!!」とスターティングゲートの開く音。

「スタートしました!」

そこまでは予定通りだった。

実況通りの展開をその場に居合わせた誰もが疑わなかった。

しかしそれは起きた。

出てきたのはなんと馬だけ。全頭、馬だけが走っていた。

目も当てられない惨状。わけもわからない。無論、場内に罵声の数々がこだまする。

「なんだこれ!!」

「どうなってんだこれ!」

「おかしいだろ!」

「ふざけんなよ!」

それは怒る。最終レースに全てを掛けている者も居るのだ。

「あはははは!」

中には、もうどうでも良いのか大笑いしている人も少なからず居た。

一方、騎手達は理由は分からないが、スターティングゲート付近に転がっている。

ほぼ人気順の通りにゴールする馬達。

こうしてレースは終わった。

納得いかない客達のブーイングの嵐。

「あの状況、どうしましょう!?」
一部始終を見ていた従業員が責任者に問うた。

「なに言ってるんだ。そんなの自分で解決してくれ、ただの故障だろう。それにしてもうるさい客だ」

従業員は客にメダルを少しサービスし、【故障中】の張り紙を貼った。

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