日常幸せストーリー 第14話 理想の物件

2020年5月11日日常幸せストーリー,執筆作品

私も一緒に来てくれた常連さんも、ポニーテールの女性のテキパキとした仕事ぶりを横目で見ながら、電話帳くらいの分厚い書類をパラパラめくって物件をチェックしていた。
フローリングでユニットバスの今どきの物件が大半を占めていた。

(こんなに狭いのに7万円以上する。都心はやっぱり高いなぁ。私のだした条件はわがままなんだろうか?)
思わずため息がでる。
「気になる物件はありましたか?」
そう声を声をかけられて上を向いたらポニーテールの女性が目の前に立っていた。
「いえ、中々…でも、こことか安くて予算内です。」
「そこは駅から近いといっても線路沿いにあるので音がうるさいですし一階に住んでいる大家さんがお年寄りで夜12時以降はシャワーが浴びれませんよ。それにご希望ではお風呂トイレ別々ですよね?」
「はい」
「古い物件で畳でも大丈夫ですか?」
「はい!むしろ畳のほうがいいです!」
「あと、ここの6万の一軒家とか」
「女性なので危険です。」
「うーん。」
3人で黙りこんでしまった。
「あっ、新しい物件が流れてきました!」
そういうとポニーテールの女性がFAXのほうに向かっていった。
流れてきた書類を見てパッと明るい表情になってこちらに向かってきた。
「ここはどうでしょう?広い!近い!お風呂とトイレ別々!」
「いいですねえ!」
私と常連さんは同時に叫んだ。
「今、地図と鍵を渡すので二人で見に行ってもらえますか?」
「はい!」
私たちは同時に立ち上がり地図と鍵を受けとって不動産屋を後にした。

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