日常幸せストーリー 第18話 コインランドリー
私は洗濯をするときは専らコインランドリーだ。
周りの人達は
「毎回コインランドリーまで洗濯物を運ぶの、大変じゃない?」
「お金かかるでしょう?」
と言うけれど私はコインランドリー生活が気にいっている。
まずあのコインランドリー独特の匂いが好きだ。その匂いはノスタルジックな雰囲気を味わわせてくれる。
銭湯に併設されたコインランドリーで銭湯の営業時間15時半から24時までに洗濯しに行けば洗剤がサービスで貰える。銭湯の番台にいる女将さんに「洗剤下さい!」と言えば手渡してくれる。
さらにここには体重10キロはあるんじゃないかというくらいの巨大な看板猫のムーちゃんがいる。
ムーちゃんは人懐こくて愛敬たっぷりでここの人気者だ。
「洗剤下さい!」の後の「ムーちゃん、いますか?」は私の常套句だ。
洗濯物を放り込んだ位のタイミングで女将さんがムーちゃんを抱き抱えてこちらへ連れてきてくれる。
パイプ椅子に座ってムーちゃんを膝の上にのせて撫で撫でする。
ゴロゴロ喉を鳴らして寝て少し経つとスッと起きて銭湯に行ってしまう。「今日のサービスは終わりね。次のお客さんが待っているから」と言っているみたい。
ムーちゃんが立ち去った後は老夫婦が営む安くて美味しい弁当屋に行ってコロッケ弁当を買い、酒屋で缶ビールを1本買ってコインランドリーに戻る。
洗濯物を洗濯機から取り出して乾燥機に放り込んだら100円玉を3枚入れてスタートボタンを押す。
洗濯物が乾燥機の中で回りだすのを眺めながらコロッケをつまみ、ビールを飲むのは至福のひとときだ。
「コインランドリー・ピクニック」はしばらく止められそうにない。
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